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2024.10.29

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平田エッセイvol.3:補助金の落とし穴

こんにちは。平田です。
第3話も書かせていただけることとなりました。
こないだの第2部は、いかがでしたでしょうか。
前回の内容は、自分に言い聞かすような内容でしたので、今回はオールジャンルのものとして、エッセイストの僕の副業として最近良くご相談を頂く補助金の申請や活用について、思っていることを書いてみます。

どうしても経営をしていると、新規事業をしてみよう、だったり、これがあると新たらしいサービスが出来るから売上上がりそうなど色んな経営方針に伴い投資が必要になりますよね。

わかります。
現状維持は衰退の始まりだとクリミア戦争の時にナイチンゲールが言っていましたので、僕も歩幅は小さいながら、それを胸に日々チャレンジをしています。

さあ、新しいことをやってみようの時、
自己資金でやる、融資を受ける、など資金調達の方法は会社によって様々かと思いますが、その時に頭に浮かぶのが補助金が使えないか?です。

あ、いきなり脱線しますが、補助金と助成金の違いってわかりますか?
補助金は、事業計画書を書いて良い提案であれば受け取れるもの、助成金は、ある一定の条件を満たせばもらえるものです。
補助金は、どちらかというと、売上上げようぜ系。助成金は人材だったり、働く環境だったり、社員のためのものというイメージですね、僕は勝手に。
今回は補助金のお話です。

ここで予めご説明をさせていただくと、当社は広告会社なのですが、僕個人としては補助金の申請のサポート、特に事業計画の立案サポートをこの5年ほど主に行っています。
採択されたお客様からのご紹介や、金融機関様からのご紹介で、補助金の申請についてご相談を頂くことが多く、補助金についてをご説明させて頂くことが多いです。
また自社も、自社の社屋から設備関係、Webサイトから印刷機械まで様々な補助金を活用させて頂いており、その採択された、という経験から失敗談も含めて、お話をさせていただいています。
こちらの失敗談が僕の中では一番自信があるので、このエッセイで書きたいのですが、あまりの補助金の使い方が下手すぎて、補助金の申請先から普通に怒られてしまい問題になりそうなので、具体例を挙げるのは1つだけにしますが多分申請経験がある方は「平田くん、わかるよお」となってくれるはずです。
お聞きになりたい方はお話しますので僕に直接ご連絡ください。

そんな僕が補助金の申請について、気をつけていることを纏めました。
これから何かしらの補助金の申請をご検討される方は、下記のことを気をつけて頂きつつ、申請を頂けたらと思います。

全部で6つあります。

1) それ、本当にいるの?
失敗談)
僕は、4年前、補助金を活用して、カッティングプロッター(150万円)を買いました。カッティングプロッターというものは本当に便利なものでして、いわゆる文字やイラストなどカットされたシートを作ることが出来る機械のことです。
補助金採択されて、それはもうさぞかしウキウキして、これからは、広告制作だけではなく、印刷も内製しよう、と。
いざ機械を導入して、使えるようにセッティングしてもらった後に気づいたんです。あれ?カッティングシートを使う仕事なくない?そもそもその機械を使いこなせる人もいなくない?と。
いきなり、まあまあ幅をとる機械が、そこまで広くない部屋に4年間置かれてるんですよ、想像できますか!
でも、補助金で購入したものって、勝手に処分できないんですよ。最悪!
でも多分、社員が一番、何この機械意味わからんって思ってると思う、可哀想!


所詮補助金は、定価の50%OFF、66%OFFで買えるというだけの権利です。
例えば、半額セールでも売れ残っているものってたまにありますよね?
そうなんです。半額でもいらないもの使いこなせないものは買ってはダメなんですよ。
あくまで補助金は、やりたい事業の早期利益回収のための機能で、そもそも儲けが出るビジネスモデルに対しての投資であることが最優先です。
補助金に対して、通りそうな事業計画書を、無理くり書くために、投資内容を決めるのではなく、まずは、将来的にいるいらないのジャッジをしましょう。補助金を通すことが目的ではなく、やりたいことを進めるために必要な投資か?を考えることが大事です。

ここから先は、僕の失敗談は書けないので、纏めだけです。


2) 補助金申請の期間は結構短いよ!
補助金は公募が出てから、締め切りまで大体どの補助金も2ヶ月〜3ヶ月くらいです。
この期間内で、補助金を見つけたとして、外部業者から見積もりをもらい、事業計画書を書いて、各種書類をまとめて、申請しないといけません。おそらく補助金申請をされるのは、決算書などの重要書類の添付がありますので、社長さんか社長さんに近い方がになると思います。
本業をしながら、この作業時間を取るというのは本当に難しいと思うので、自分のやりたいことをするには、何が必要で、いくら予算がかかるのか?
それはどのように儲かるビジネスモデルなのか?を、活用できそうな補助金が見つかる前から検討しておき公募が始まったらその内容を書類にまとめることだけにしておくことが重要です。
補助金の申請が始まってから、どうしようかな〜と悩みながらだと、事業計画の記載が間にあわなくなると色々もったいないですよね。


3) 採択前だから、と、ざっくりとした見積もりをしない。
採択前でも、補助金申請には、何にいくらかかるか?という経費申請があります。
例えば、この機械を買ったら、○○円、Webサイトを作ったら、○○円のような想定が必要になります。
補助金の申請時に、あまり時間もないし、まだ採択されてもないし、と、ちゃんと考えず、まあこれくらいかと適当に経費申請をすると大変です。実際に採択後は、その事業計画に沿って進めないといけません。
「あれ?これもいる、あれも足りてない」ということになると、補助金の対象外でお金が出て行きます。
また、予算の想定が高すぎても、実際に支払った額に対して補助金がおりますので、実際の金額が低ければ補助金額が下がります。
具体的な想定をした上で、外部業者に見積もりを依頼することが重要です。
また特に人件費が主なもの(例えばWebサイトや内装工事、広報ツール制作など)は、定価が決まっていないものです。変な言い方をすると、いくらでもつけられるものです。
こちらをしっかり検討せず、補助金申請のために必要だから、と適当に見積もりを取ると、業者さんから割高の見積もりが出てきて、結局補助金を使って、1/2お金が返ってきたとしても、そもそもの金額が高い、ということになりかねません。
その辺りをよく考えて必要であれば相見積もりをこの採択前から行う、や、信頼のできる業者さんを見つけておくことは重要です。


4) 補助金申請代行など、業者任せにしない!
補助金の申請や事業計画書のサポートをうちのような外部業者に依頼する場合、協力してくれるところは、探せば岐阜県愛知県内でもいくらでもあると思います。
ただ、あくまで申請をサポートするまでであって事業の主体者や責任はあくまで自社です。
申請しようと思っている補助金の公募要領をしっかり読むこと、事業計画書や申請書類を業者任せにしないことが重要です。
自分のやりたいことを記載させるために業者を使って時短をしている、という気持ちが大事です。
あくまで、補助金申請業者は、「採択」を最大目標にしています。もちろんそれが一番求められていることなので、そこを責める訳ではないですが。
ただ、それが行き過ぎると採択されるための事業計画作りが目的になって行ってしまい、実際に自社がやりたかったこと、欲しかったものと、かけ離れてくることがあります。この手綱はしっかり持っておかないと、余計なものまで買わないといけなくなったりして結果損しますから注意です。


5) 一人で進めない!
補助金の申請はいざ、採択となると、それに沿って進めないといけない責任を伴います。例えば、社長が一人やりたくてもスタッフがついてきてくれなかったり、協力業者がいなかったりすると、補助事業は進めないといけないけど実際にやれる体制になっておらず、無駄に予算だけかけただけ、みたいなことになります。
そうならないように、補助金の申請時点で社内外でしっかりチームを組んで取り組むことが重要です。
「よおし!お父さん採択されたぞ〜、お前たちやるぞ〜」というワンマン気質なシャチョウサンであれば、大丈夫です、進めてください。


6) 補助金のスケジュールに縛られて動くことになるよ!
補助金はあくまで、補助事業期間内で行うものです。
実際にやりたいことが、補助金の申請をし採択され交付決定されその後からやり始めるものになります。その期間がどの補助金でも、公募からは早くても半年くらいはかかります。
それまでは、事業を進めたり、モノを買ったりすることはできません。
補助事業期間を待っていると、ビジネスチャンスを逃す、などのリスクがある場合は補助金は活用すべきではありません。
最悪採択されなかった場合、時間だけ過ぎた、ということになります。
あくまで、補助金が通ったらやろう、という、そこまで切迫していないけど、やりたいもの、を対象とした方が精神衛生がいいです。



こちら6つが僕が補助金申請時に思っていることです。

この辺りを読みながら、結構補助金ってめんどくさいんだなあと思われる方も多いと思います。

ただ補助金活用はやっぱりメリットも多くて、
・イニシャルコストが下がるメリットはめちゃ大きい。
・採択後は銀行融資がおりやすい。交付決定通知書があれば、その金額はほぼ貸してくれる。
・事業計画書を立てながら、自分の考えの漏れ抜けなどに気づけるので、なんとなくぼんやりやりたいなあと思っていたものが明確になる。
・何度でも申請できる、色々な補助金が、国、県、市から出ているので、一度採択されなかったとしても、無駄になりにくい。

など、やっぱり活用しない手はありませんので、ぜひチャレンジできるものがあればしてみてくださいね。

当社では、お客様からのご相談から、申請できそうな補助金の検索や、事業計画の記載のお手伝いをしております。
僕の個人的な失敗談はいつでもお話しますので、興味のある方はご連絡くださいね。

それでは!