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2025.04.26

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平田エッセイvol.8:ホワイトカラーたちよ、襟を黄色くしよう!


最近、「どんなAI使ってますか?」って聞かれることが増えました。
で、思い返してみたんですけど、ついこの前までは、僕自身、AIなんて全然触ってなかったんですよね。

もちろん、顔を老化させてくれるアプリとか、似顔絵を自動で描いてくれるみたいな、
「遊びとしてのAI」には触れたことはありました。 20年後の僕、すごく太ってました。

ただ、それを“業務”に活用するなんて発想は全くなかったです。ほんとに。

そもそも、僕がAIに触れるようになったきっかけは、今お土産の新開発を進めているんですが、
原価を計算しないといけない時でした。

(恥ずかしい話なんですが、僕、これまでExcelもWordも、PowerPointも、自分で完結して使ったことがほぼ無くて。
今まで全部“お願いして”なんとかやってきたタイプで、自分では何もできない、体は大人、頭脳は子どもの名探偵なんです)

で、ふとChatGPTに、
「Excelでサム関数って結局どうやるんですか?この離れたセルの掛け算ってどうやるんですか?」
って聞いたら……ちゃんと返ってきたんですよ、答えが。

そっからです。
少しずつ「あれ、これ仕事で使えるんじゃないか?」って思うようになったのは。


ただ、僕の仕事は広告ですし、うちの会社は、いわゆる“職人系”の仕事が多いんです。

お客様と打ち合わせして、課題を聞き出して、企画を考えて、提案書を作って、
見積を出して、契約して、社内外の制作チームに指示書を出して、最終的に納品まで責任を持つ。

だからずっと、「AIなんて割り込む余地ないよね」と思ってました。
正直、「AIってデザインも企画もできないんでしょ?」と思ってましたし。


でも、ある時気づいたんです。

この流れの中で、「お客様の課題をまとめる」とか「社内向けの指示書をつくる」とか、
その“隙間隙間の隙間”みたいな部分って、案外AIでもやれるんじゃないか?って。


たとえば、会社案内のパンフレットをつくる時。
構成を考えたり、見出しを整理したり、文章のトーンを整えたり――

そういう「ゼロから1をつくる」みたいなところをAIに相談すると、“あった方が良い情報の羅列”が出てくるんです。
人に頼ると気を遣うような場面でも、AIなら躊躇なく叩き台を出してくれる。
これは地味にありがたいです。


あと、メール文面やチャットワーク文面。
よく言われるのが、僕の文章って、
「感情がなくて冷たい」、「なんか怒ってるように感じる」 ということ。

僕自身は別に怒ってるつもりはないんですが、社員からそう言われること、実際結構あります。

で、AIに、「こうやって書きたいんですけど、ちょっと丁寧に書いてください」って頼んでみたら、
本当にちゃんと心のこもった文章が出てきたんですよね。
読んでて普通にグッときました。

「もしかして……僕よりAIの方が感情あるんじゃないか?」

本当にそう思いましたし、今までの僕のメールを解読してきた全ての方々に謝りたい気持ちです。


広告の現場以外にも、会社全体で考えてみた時、
「AI、けっこう色んなところで使えるな」って思ったのが最近です。

会議の議事録、今までは録音を聞きながら手でまとめてたんですけど、
音声をAIに渡せば、要点まとめてくれるし、話し手も分けてくれるし、めちゃくちゃ助かります。

何より、10分で済む作業になったのがありがたいです。


あとは、社員から「この制度ってどうなってたっけ?」みたいな質問があったとき。
過去の資料探して説明するより、AIに他社の事例を聞いて、まとめてもらう方が早い。

制度設計とかルールの整理も、AIに下地を作ってもらってから整えるようになりました


もちろん、お客様へのメール文も便利です。
言い回しを考えるだけで時間がかかる文面、特にご案内系のやつとか。

AIに「こんな文脈で、柔らかめに」って伝えたら、それっぽいの出してくれるので、
最初の1文が出てくるだけでも、かなり心理的ハードル下がります。


最近、特にこれは便利だなと思っているのが、若手スタッフや新入社員のサポートとしてのAIの活用です。
これまでだったら、経験の浅いスタッフを一人でクライアントのところへ行かせるのって、やっぱり不安だったんです。
基本、上司が同席して対応内容を確認して……っていう流れ。

でも、今は打ち合わせを録音して、それをAIで議事録化すれば、上司が後から内容を確認できるし、それをそのままお客様にも共有できる。
つまり、“その場にいなくても後追いができる”状態ができるわけです。

これは広告会社に限らず、どんな会社にも使えるやり方だと思ってます。


これから間違いなく、AIはもっと進化していくと思います。

事務職的な業務だけじゃなくて、専門職の部分にも、どんどんAIの手が伸びていくはずです。
実際にもう、提案書の構成や文章、資料のラフなんかはAIで代替され始めています。


だけど、僕はやっぱり信じてます。
AIでは絶対に変えられない部分があるってことを。


それは、「人と人とのつながり」とか、「その人らしさ」が出るところ。

たとえば、お客様に熱を持って話す時の空気感とか、
その場で表情を見ながらトーンを調整するみたいな、対話の“間”とか。

あるいは、自分の頭でアイデアを組み立てて、現場の空気を感じて、臨機応変に対応する力。

それこそ、看板を取り付けたり、イベントの進行を回したり、契約を結んだり、
“その場にいないと成立しない仕事”っていうのは、これからもっと価値が上がると思っています。

だからこそ、僕たちはより専門的に、より現場で“汗をかく”働き方を選ばないといけない。
それが、今回のタイトル「襟を黄色くせよ」に込めた思いです。

Yシャツのエリが汗で黄ばんでしまうくらい、現場に立って動いて、自分の力で仕事をつくっていく。
AIがいるからこそ、人の“汗”や“熱量”が、より際立っていく。僕はそう思います。



ちなみに……
この第8話、僕がしゃべった内容をもとに、全部AIが書いてくれました。
僕は一文字もキーボードを打っていません。

なので、もしこれを読んで「なんかいつもより面白くなかったな」と思った方がいれば、
それはきっと、僕がまだギリギリAIに勝っているということなのかもしれません。

でも、もし「めちゃくちゃ読みやすかった」、「むしろ普段より整ってる」と思った方がいたら、
それはもう、このエッセイを書き出した時の、
『AIが量産するブログには負けないオリジナルなものを作りたい』と思っていた僕も、負け始めているということです。


どちらにせよ、ちょっと複雑な気持ちで、この第8話を締めたいと思います。


それではまた次回!
ちなみに、AIが考えた20年後のSOUをこちらに貼っておきます。