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2025.08.23

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平田エッセイvol.12:平田流営業のごくい


みなさま、お疲れ様です。
平田エッセイもついに第12話となりました。

月1本のペースで書き続け、気づけば丸1年。

1年前のvol.1「嫌われ者の広告」を読み返すと、今のような“ですます調”ではなく、少しイキッた文章で、
正直キモいから消そうかな、とも思いました。

でも、せっかくの節目なので、今回は僕が今まで広告会社でやってこれた理由について書こうと思います。

僕はもともと営業職を7年経験し、その後創業し8年目になりました。

今、広告会社の代表ですが、デザインもできなければ広告原稿も書けません。
当たり前ですが、動画編集もできません。

よく「代表なんだから、すごいことができるんでしょ?」と言われますが、正直、何にもできません。

それでもこの仕事をブラさず続けられてきたのは、目の前に仕事がずっとあったからです。
これだけは本当にずっとありました。忙しいです。

そうです、 僕は営業が得意なのです。

前のエッセイでも書きましたが、
この先、AIが進歩し僕たちの仕事もAIによって淘汰されていくでしょう。

そんな中見てください、営業だけは今後も絶対に残ると思います。

何かモノやサービスを売る時にAIだけで売れることは想像できないからです。

さて、私の熱い営業への想いを4行で聞いていただきましたが、
多分、生身の僕をみたことがある人はわかると思いますが、正直全然営業できる風ではなく、
ややちょっと小太りの37歳です。

ではなぜ目の前にずっと仕事があったのか、
これまでは「運」とみんなに言ってきましたが、実は僕なりの極意があるのです。

これをバラしてしまうと、みんな実践し自分の仕事がなくなるから黙っていたのです。

でも営業マンの皆様へ1年記念として教えます!
お盆で暇なので!

極意は「6つ」あります。

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1. 第一印象は、可能な限り下げておくこと

「いきなり何言ってんだ、こいつ」ってなったかもしれませんが、
最初にハードルを上げてしまうと、その後の期待値を下回った瞬間にすごくガッカリされます。

最初から最後まで完璧な立ち振る舞いができる人でないと、第一印象◎は危険です。

僕は初対面では絶対に「できる風」を出さず、頼りなさそうに見せるくらいにします。
(何ならちょっとTシャツにお昼に食べた味噌ラーメンの味噌とかもつけておきます)

そうすると後から「意外とやるじゃん」と思ってもらえる確率が抜群に上がります。

基本なんでも期待させたらダメです。
ハードルが上がって生きづらくなるだけです。

商談は1度きりではないのです。
お客さんに「この子……育ててあげたいわ」という気持ちをいだかせましょう。

2.ややいきすぎたフレンドリー感を出すこと

提案打ち合わせや会議ってあるじゃないですか。
やっぱりお客さんと仲良くなりたいですよね?

大人の「仲良くなる」っていうのは簡単なことではないのです。
それはこの田舎の岐阜でも難しいのです。

子どものように毎日顔を合わせる訳でも、裏山を一緒に駆け上がることでの達成感もないのです。

そのためにはどうするべきか、
どう考えてもこちら側が業者なのに業者感を出さないことです。

普通に「お宅の会社のXXX事業部の平田ですけど?」感を出して会議に出席するのです。

提案したものが否定されたとしても遠慮とかせず、
「なるほど確かに」、「さすが先輩、修正しておきます」、
とか言って、次の提案時に直せばいいのです。

途中で疲れてきたら、
「ちょっとそろそろタバコ行きますか?」とか言って中断するのです。
吸わない相手でも。

ここは商売相手ではなく、一緒の仲間感を持ってもらうことが一番大事です。
ただ報酬の受け取り方が、給与か領収書の違いだけなのです。

これはいい表現ですね、もう一度書きます。

ただ報酬の受け取り方が、給与か領収書の違いだけなのです。

そう考えて対応した方がきっとうまくいくと思います。

お客さんもそんなに偉くもすごくも神様でもないのです。
自分ではできず、一緒にやっていくパートナーを探しているのですから。

自分から、「仕事出してやったぞ」、「仕事とってやったぞ」という業者壁を作るのはやめましょう、という話です。

3. 本当のお客さんは誰か

これは受託会社に限りますが、元請けの考え方ってありますよね。
30代OLによく聞く嫌いなワード堂々第1位、元請け。

自分が下請けで、元請けがいて、その上にお客さんがいるパターン。
こういう時は、元請けの気持ちで自分もいる、ということが大事です。

元請けとその上のお客さんの会議とかにも同席して、元請けの一員として話を聞いてくるのが、一番色々と楽です。
伝言ゲームになり、二度手間になることが多いので、直接話が聞ける機会があれば同席しておきましょう。

大事なことは誰がその客のお客様か?を認識した上で対応した方がスムーズということです。
それを知らずに対応すると、面倒なことになります。

また元請けの方へのリスペクトにも繋がりますよ。
あっちはあっちで大変なのです。

4. 今ある仕事を営業だと思って対応する

「営業=新規開拓」だと思いがちですが、今やっている案件こそ最大の営業機会です。
納品や対応の質を上げれば、次の相談や紹介につながります。

“その人が信頼している誰か”への紹介が一番成約率が高いのです。
なので一番はその人に信頼されることなのです。

すでに今、依頼されているというその機会を最大のチャンスとして、紹介をしてもらいましょう。
勝手に紹介してもらうというのを待ちつつ、
普通に新規にいくつもりでその人に営業し、お客さんを紹介してもらいましょう。

面倒くさそうな顔をしつつ、何件か教えてもらえると思います。
あくまでこれは、過去やった案件をちゃんと対応したから、のご褒美ですね。

どこに営業に行ったらいいかわからない、という方がいたら、過去のお客さんのところに行ったらいいのです。

5. 仕事を断ること

たまに聞きますよね?
短納期かつ予算が合わない依頼を断ったら、
そのクライアントが後日「やっぱりちゃんと相談したい」と条件を整えて戻ってきました、なんて話。

そんなものは僕は経験がありません。

なのでそんな話は、「その会社でしかできない何か?」がある場合のみです。

騙されないでください、
“仕事断るのかっこいい!”というマインドだけには惑わされないでください。
やり方を間違えると死にます。

仕事を断るべきタイミングがあります。

「お客さんが相談してきたもの」が、自分が考えた上で、「お客さんにとって不要なもの」の場合、です。

うちだとたまにあります。

「Webサイト作りたい」、や、「補助金申請したい」、という時に、
ちゃんと聞いて考えた結果、それは無駄な投資、と思う時。

そんな時だけ断ってください。
また、やらないでいい方法をしっかりと説明してください。

僕も今まで何回も断ってきていますが、そういう方のほうが、
本当にどうしようもない時、こちらのお願いも聞いてくれたりしますよ。

6. 面倒なものや無料なものから貰っておく

僕たちの仕事だけかもしれませんが、結構作業が面倒くさい、とか、休日対応とか深夜対応とか、
そういう対応が多いのですが、それを優先的に自分で対応することです。

また「コストが出せるモノではないんだけど……」
みたいなお願いで、自分ができる範囲のものはやっておきましょう。

お金をもらった作業よりも、感謝が5倍くらいあります。

たまに、社長がトイレ掃除する、みたいな話ありますよね。
そういうスピ系の話ではなく、相手も同じ人なので、
「面倒なことはこっちでやっておきますから」の精神は重宝されることが多かったです、という話です。

おそらくこれがビジネスの基本なのかもしれませんね。

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いかがでしたでしょうか。

営業担当の諸先輩方、納得いただける部分はありましたか?
これから営業を頑張ろうという皆様、少しでもヒントになれば嬉しいです。

こうして第12話を書き終え、1年間書き続けられた自分を少しだけ褒めたいと思います。
そして、ここまで読んでくれた皆さんにも心から感謝します。

これからも、自分なりの営業の型を磨きながら、次の1年も走っていきます。

それでは!