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2026.01.31

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平田エッセイvol.17:<は、働いてもらい方改革?>無理をしない、させない経営をしよう!

さて、1月といえば年の初めですから、皆様色々と
「今年こそは!」という計画を立てるにはぴったりの月ですよね。

こちらのエッセイは、SOUが名刺交換をさせて頂いた方にメルマガとしてお送りしているのですが、
私たちの業種柄、恐らくその方々は経営者の方、個人事業の方、経営に近しい位置で業務をされている方が多いかと思います。

そうなると『売上目標』や『利益額』、『今後の投資』等の前向きな数字を並べ、
計画をしたくなる時期かなと思います。

(私たちは7月期始の6月期末なので、1月は下半期スタートの月です。また後期も頑張ろうと思っています)

そこで、今回は経営計画のお話です。

テーマにもあります、『無理をしない経営とは?』という結論に向けて、
やや長めな文章で進めていきますので、是非お時間ある方はスクロールをお願いします。

さて。

そもそも無理をしない経営ってよく聞きますが、これは従業員に向けて、ですよね!

「社員に無理をさせません」みたいな言葉が企業のWebサイトでよく見ますし、
岐阜県でも、『働いてもらい方改革』なんて言葉を耳にしました。

こちらは “生産性を高め、従業員の目線に立った企業側の意識改革” として使われている言葉ですので、
DX化の推進など内容は理解できるのですが……

『働いてもらい方改革』という、この如何にも、社員様よいしょ!よいしょ!的なネーミング。
正直なんだかな、と思っています。

このご時世、正直、経営者側が社員にブンブン働かせられるほどの威厳がそもそもないですからね。
もういろんな制度や縛りでピヨピヨの中、みんな頑張っているのです。

『経営やらせてもらい方改革』に名前変えた方がしっくりきます。

なので、僕が考える「無理をする・しない」を3つのカテゴリに分け、
それぞれに無理をさせない経営をするための結論を出しましたので、見てください。

今回は「無理」がテーマなのでやや後ろ向きな話です。ご了承くださいませ。

さて。3軸。

▶︎ オーナー(株主):最終責任者
営業利益が最終目的とします。

▶︎ 従業員:従業員パートスタッフ
またこちらには役員報酬を受け取る経営者も含まれます。
経営者が株主と同じ場合でも一旦切り離して考えます。
経営も業務に従事するのであれば多分一番「無理」をする対象なので。
ここは、個人の適正報酬の確保や働きやすさなどが目標とします。

▶︎ 取引先:顧客
こちらは、費用対効果の最大化が一番です。

個人事業主の場合は、
オーナー部分は、『生活費上澄み分』
従業員部分で『生活費として自分の必要な報酬分』を見込んで考えてみてください。

こちらの3つのカテゴリのバランスを考えて、
「無理をしない・させない」を考えていかないといけません。

何故なら、従業員の、社員・パートスタッフだけを無理をさせないことを考えると、
オーナーが無理をしている、
取引先である顧客に無理を強いているという、
無理を押し付けあっているだけ構図になる可能性が高いのです。

となると結局、長期的には従業員側に無理を強いることになり、三方悪し、が一番最悪な結果です。

なので、今回はオーナー・従業員(経営者含む)・顧客のこの3軸で
「無理をしない・させない」ためにどのように計画するべきか、考えていきたいと思います。

こちらはサービス業として、うちの会社の例なので、製造業や卸売業とはやや構造は違うと思います、
 が、なんとなく自社に落とし込んで考えてみてください。

先に結論を言いますが、結局考えないといけないのは、
『株主と経営上層部の綿密な計画』が全てです。

当社の場合ですが、年度の計画を立てるとき、いきなり売上目標は立てれません。
ほぼスポットの仕事ですし、「昨年あったけど今年ないよね」、みたいなものがほとんど。

そのため一番最初に決めるのは
「今期いくら営業利益を残さないといけないか?」から決めています。

営業利益をいくら残したいか?は会社それぞれだと思いますが、
当社は借り入れがあるので、『営業キャッシュフローをプラスで終えること』を目標に、
年次の借入返済できるくらいを営業利益目標としています。

仮に年1000万円の営業利益の確保を1つの目標としておきます。

・ここで借り入れが無い方
・営業キャッシュフローが当たり前に+になることが想定される方

は、もっと高い目標値をおいても良いと思います。
うちみたいな会社はこんなところ高ければ高いほど良いのです。

ただ、先ほどの3軸の無理としてオーナー目線で見ると、

・営業利益±0円の計画
・キャッシュフローがマイナスになる予算立て

は、今後の借り入れや事業継続の予算として、明らかにオーナーが無理をしていますので、
それが「限界」ということであればビジネスモデル自体を考え直さないと、オーナー側の無理!という事になります。

営業利益の目標値が組めたら、次は販管費を組み立てていきます。

ここには、

・従業員の人件費
・家賃や通信費
・システム費用
・会社を維持するための固定費

などが含まれます。

これは基本的に昨年の決算書を見ながら、や、月次試算表を見ながら
「月にいくらかかるか」が見えると思うので、1年分の予算を立てていきます。

ここは過去実績の積み上げをメインに考え、
「今期何に追加で予算がかかりそうか?」を考えていくところです。

例えば採用をしないといけないのであれば、
『採用広告費とその追加の人件費も追加計上しておく』、などが必要です。

その年の途中で予定外の出費が無ければ無い方が良いので、しっかり時間をとって組み立てます。

ここでよく見ている指標としては、
販管費における人件費・賞与と役員報酬、社会保険料、福利厚生費の総額と、
その他の販管費の割合をみていきます。

恐らく全体販管費のうちの約50%はこちらの人件費で設定が出来れば一旦まずは大丈夫です。

この割合が多すぎる、少なすぎる、みたいなものに関しては、業種柄もあると思いますが、
うちのようなサービス業は多分50%くらいが適正だと思っています。

ここの販管費は息を吸って吐くだけで毎年なくなるお金を計算しただけなので、ここでの無理はまだありませんね。

ただ気を付けないといけないのは、ここで立てた計画は、
粗利計画とは大ズレするのに本当にきれいに消化できる点はマジ注意です。

「粗利」―「販管費」=「営業利益」になるので、
営業利益の目標を達成しようと思うと、
『粗利を増やす』か、『販管費を削る』か、という2択になりますので、
この後の必要な粗利目標の設定の時に、こちらの販管費を触っていくことになります。

ここまで準備出来たらやっと粗利の話になります。

先ほども言いましたが、「粗利」―「販管費」=「営業利益」となるので、
『今年どれくらいの粗利が必要か?』は
「販管費」+「営業利益目標」ということになりますね。

当社の場合、広告事業と、コンサルティング事業の2軸がありますので、
こちらに対して、粗利予算を振り分けていきます。

仮に、販管費が1億円。
営業利益が1000万円だとしたら、
『11,000万円の粗利を、2部門で獲得できる具体的なイメージが出来ればよい』、という事になります。

さて、仮に「広告事業で年間粗利7000万円を目指そう!」となったとします。
粗利額が50%として設定しているサービスであれば、売上は1.4億円必要です。

で、ここでやるのは精神論ではなく、
・昨年の売上はいくらだったか
・何人員でどれだけの工数をかけて対応したか?
・今のメンバー構成・顧客でそれが賄えるか?

を見ていきます。

例えばここで、昨年対比で人数も体制も変わっていないのに、
目標値だけ2000万円上がる、その計画や予定はない、という事になると、具体的にイメージができません。

となると、
「来た仕事を全部受けての残業前提」
「土日夜間問わず誰かの過度な営業頑張りを期待」
ということになるので、
これはもう従業員側に無理をさせている計画として見えてきます。

もしくは、「値上げして粗利多くとろう」という事もできますが、
クオリティや価値が市場価格と適正でなければ、それは顧客側に無理をさせていることになり、
結果的にリピートにつながらず、結局株主側及び長期的に見て従業員側が無理をします。

なのでこの時にはきっぱり、『販管費を触る』『営業利益目標を下げる』ことが必要です。

まずは販管費の削れるところから見ていきます。

いきなり人件費を削るのではなく、
広告費、保険、接待交際費、通信費など、まずは人件費以外から削減します。

このあたりの費用を絞ると、運営的には若干
「今まであったのに無くなった、厳しくなった!」みたいなものが起きたりしますが、
まあこれは経営と従業員の痛み分けだと思っています。3ヶ月で慣れますので我慢です。

ある程度頑張れたら、次に人件費を見ます。

「役員報酬」+「人件費(賞与込)」の総額を見た時に、
おおよそ獲得できるであろう粗利目標に対して、人件費を適正値にもっていきます。

オーナー経営者の役員報酬が高ければ、まず生活できるだけ限界まで下げます。
これは株主且つ経営者の痛み分けで、ここが唯一できる人件費下げです。

なぜなら営業利益は確保したいから、そこに手はつけたくないからです。
一旦主導で触れるのはここまで。

一般の人件費は、一度上げたら下げにくい国の制度設計なので、ここでは触れません。

できるとしたら、
・賞与や昇給の一律化をやめる
・人が辞めた時補充をしない
という事くらいです。

ここで僕が大事にしている指標は、粗利対人件費率は50%が目標。
プレイヤー(直接業務者)は『月給の3倍の粗利が月次で取れることを目指せるか?』です。

ここでややシビアな話ですが、

月の獲得粗利:50万円
月の給与:50万円

この状態では経営は成り立ちません。
月の給与の他に、社会保険や賞与、福利厚生費など、個人にかかる支払いがあるのです。

また上の販管費でも見た通り、販管費における人件費率は、
多分他の会社もほぼ約50%前後なので、そうなると思いっきり赤字です。

2倍でトントン。
3倍で営業利益確保に寄与してきます。

それが難しい場合選択肢としては2つしかなく、
『粗利を増やす』か、『人件費を下げる』か、しかなくなってしまいます。

それこそ『計画が無理』なのです。

これが全然夢のまた夢の場合は、早急にビジネスモデルや体制を見直すべきと思っています。
これは株主&経営の責任です。

このように目標値から考えていった時に、
・「どこで無理をしているか?」みたいな所から見つけていき、その発見都度、修正更新をしていくこと
・1年間の見通しを具体的にイメージできる状態にすること


その上で
・施策としてのTODOを洗い出すこと
が重要だと思っています。

これで初めて、3軸共に無理をしない経営ができるのかなと思います。

最終的に思うのは、「無理をしない・させない」というのは、思いや気持ちの問題ではない、ということです。

また「AI化やDXをして生産性を高めたい」って思っているのって、基本株主だけですからね。

従業員側は基本的には慣れている作業を気持ちよくやって、
報酬を年次でぐんぐん上げて賞与をもらいたいのです。僕だったら絶対そうです。

なので、DXや生産性向上に取り組む場合は、先に賃上げ等の制度設計をし、
その上で従業員にメリットを提示したうえで、全社でDX化を進めないといけません。

やり方を変えることに抵抗感がでることは仕方がないことです。
多分、岐阜県としてはこれを推奨すべく、『よいしょネーミング』を付けているのです。(シランケド)

もちろん、
オーナーが好きで入社してもらったスタッフや、
自社にご依頼頂いている顧客の皆さまに、
良い暮らしや良い思いをしてもらいたいというものは、気持ちとしては当然です。

株主(オーナー)側と経営の上層が、
きちんと予算と各種計画を組み、その数字の進捗を月次で管理していくこと。

そして従業員側は、その数字を追うための具体的なプランを出し、実行していくこと。

この役割分担が正常に機能している状態こそが、
本当の意味で「無理をしない・させない」経営なのだと思っています。

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……年始なので、今月は少し真面目な平田エッセイでした。

うちの会社は上記のような流れで年次計画組んでますので、
もしご興味がある方がいらっしゃれば、フォーマット等お渡ししご説明しますので、言ってくださいね。

今回は「無理」がテーマだったので年始早々やや後ろ向きな内容になり、書きながら吐き気がしてきましたが、
次は最大限の全員の賃上げにつながることについて、前向きに思っていることをかけたらなと思います(#^.^#)