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2025.06.29

BLOG

平田エッセイvol.10:怠惰を求めて勤勉になろう!


みなさま、お疲れ様です。
ついにこのエッセイも第10話となりました。

1ヶ月に1本のペースという、なんとも言えないペースで細々と書き続けてきましたが、こうして書く時間があるのも、
お客様と社員と協力会社の皆様のサポート(いや、理解か?もしくは諦めか?)のおかげ!
ということで、日々感謝しております。

これからも頑張って“エッセイストとしての職務”を全うしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

最初からPRで恐縮ですが、現在私は社内的に「セミナー担当者」となっておりまして、
「補助金活用について」、「SDGsについて」、「旅費規定の活用について」などお話をさせていただいております。

もし会社や団体、コミュニティなどで
「軽めのセミナーとか相談会、やってくれる人いないかな…?」というニーズがあれば、ぜひご用命ください。

あまり大御所を呼ぶと調整大変…という時に、“軽めのキッズ”として呼んでいただければ嬉しいです。
お伺いした際には、セミナー中、2分だけ会社のPRをさせてくださいましたら飛んでいきます!

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さて、本題です。

第9話で「次回はうちの会社のAI活用について書きます」と宣言しておりましたので、
その件について第10話、第11話でまとめます。

うちの会社・SOU株式会社は、7月1日から第8期を迎えます。
そしてこの第8期のテーマは、こう決めました。

「前向きに、AIに支配されよう!」

このフレーズだけ見ると、ずいぶん大げさにも聞こえるかもしれませんし、
「ついに平田がAI信者になったか、きっしょ」と思われる方もいるかもしれません。

が、実のところ僕は、そこまでAIに夢見ているタイプではありません。

僕は3度の飯より面倒なことが嫌いです。
より楽なやり方があるのなら、それが達成できたときの快感に勝るものはないと思い、日々努力している系快楽異常者です。

漫画「哲也」に出てくる房州さんの言葉を借りるならば、
タイトルの通り「怠惰を求めて勤勉になる」タイプの人間です。

ただ一つ、経営者という立場で会社を動かしている以上、
“業務を効率化する”というのは使命であり、逃げられない責任でもある、というのもまた事実。

そして、今その“効率化”のキーワードにおいて、AIを避けて通ることはもうできません。
だったら、もういっそ、しっかり向き合って、正面からAIに支配されにいこう。

どうせやるなら徹底的に。

それが、この「AIに支配される会社をつくろう」という今回のプロジェクトに至った背景です。


なので、今回のエッセイは第8期のSOUが、AIを活用してどう業務効率化に取り組んでいくかという、
ある種の内部資料的な内容でもあります。

あまり社外的に意味があるかというと、ないかもしれません。

むしろ、“おそらく誰も読んでいないであろう社内スタッフ”にこそ、ぜひ読んでもらいたいという気持ちで書いています。


でも、面と向かって「読んでね」って言うのはちょっと恥ずかしいので、
「このエッセイの読者の皆さまから口コミで回り回って社内に届いたらいいなあ」という、
シャイでピュアな私からお届けしております。

さて、ここから項目を分けて、当社のAi活用についてまとめます。
話が長くなるので、今回は半分まで!

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■1. 会議議事録の自動化
仕事柄、打ち合わせや会議ってどうしても多くなります。
かつては「会議に出るのが仕事」と思っていた時期もありましたが、正直言うと、会議って何も生産してないんですよね。

こんなもん、なければない方がいいに決まってる。

それでもやるのは、ボタンのかけ違いを防ぐため。
リズムとして、確認の場がある方が安心だから。

本音を言えば「会議すらしたくない」んですが、まあそれは一旦置いておきます。

さて、うちの会社の会議は、しゃべる量が多い。とくに経営会議。
基本的に“たくさん話して、それっぽい言葉が飛び交って、最後よく分からないまま終わる”という、よくある典型例です。

「あー、いっぱい話したな〜仕事したなあ」って気分にはなるんですが、数日後ふと冷静になって、
「……で、結局何決まったんだっけ?」となる。

そのたびにボイスメモを聞き直して、
「私の声、こんな声なの……?きっしょ」と思いながら、再度TODOを整理する。
ここまでが何の生産性もありません。なので効率的であればあるほど良いのです。

でも、今はちょっと違います。
ボイスメモを録音しておけば、AIがわりと良い感じに要約してくれる。

しかも、会議の“結論部分”もきちんと残しておいてくれるので、あとから振り返るのも楽。
若干ニュアンスはズレますが、TODOまで整理してくれます。

議事録として社内に共有するためにかかっていた時間と工数も、大幅に削減できました。
正直これはかなりありがたいので、是非。

■2. 思考の口述→原稿化
僕は文字を書くのは割と好きな方なのですが、文字を書くというのもめんどくさいですよね。
特にスマホでの入力とか、3行目で疲れちゃうんですよ。
なので、今はAiに対して話しかけて対応してもらっています。これだけで結構楽になります。

これをやるだけで、車での移動中も資料が作れたりして、効率が良いです。
是非普通に使うにも口頭での活用がおすすめです。

ただちょっと恥ずかしいと思うので、会社もリモート室みたいなものをある程度準備して、
口頭やりとりができるような環境を作ろうと思っています。

使用ツールである「ChatGPT」や「Gemini」、音声入力はどちらも有料かな?
でもこれは有料にする価値はありますよ。

※電車移動の方はやめてください。電車で電話している人よりキモイ顔で見られますよ

■3. 月次PL・BSレビューの支援
世の財務コンサルタントの皆さまには申し訳ないのですが、もう僕は、これで十分なのです。
なにかというと、毎月のPL(損益計算書)とBS(貸借対照表)のレビュー。
これはもう、AIで行えます。

やり方はシンプルです。
自社の月次決算PDFをAIに突っ込んで、こう聞くだけ。

「あなたは超厳しい財務アドバイザーです。この会社に対して、どのような具体的な指摘をし、改善させますか?」

すると、AIが吐きそうになるほど具体的で痛烈なフィードバックを返してきます。

たとえば:
・「この固定費増は明確な管理ミスです」
・「売上構成比の変化に対する施策が不明瞭です」
・「前年同月比で粗利率が5.2%下がってます、改善見込みは?」 などなど。

これらの指摘を、僕は毎月経営陣で共有して、対応方針を検討します。
数字は嘘をつきませんし、AIも忖度しませんので、Mな私は毎月グッときています。

ちなみに最近知ったんですが、
ChatGPTやGeminiって、もはや “東大理Ⅲレベル”の処理能力があるらしいんですよね。

いやいや、岐阜で東大理Ⅲの人と会ったことないですからね?
そんなレベルの子に、的確に言われたら——

私、頑張っちゃうわ!ってなるじゃないですか。
それを毎月やれば良いのです。

■4. 外部提案のレビュー代行
続いて、戦慄してください。
toBの営業職の皆さまにとって、これはおそらく地味に恐ろしい話です。

うちではどうしているかというと——
まず、自社の財務状況や今後の方針は、前述の【■3】でAIがすでに分析してくれています。

その状態を踏まえたうえで、例えば保険会社や金融機関から提案が来たら、こう質問するのです。

「〇〇という会社からこのような提案を受けた。当社はこれを実施すべきか、判断してください。」

そしたらAIは、「やるべき」、「やらないべき」をちゃんと理由付きで答えてくれます。
しかも驚くほど論理的で、視点も冷静です。

また、「……やらない場合、どうやって返事したらいいかなあ?」と聞くと、
ちゃんと丁寧なお断り文までくれるのです。

・「御社のご提案は大変魅力的ではありますが、現状の経営資源配分と整合しないため、今回は見送らせていただきます」
・「今後の展開によっては、再度ご相談させてください」 など。

多分、この検討方法は正しいんです。
なぜかというと、僕は東大理Ⅲを出ていないからです。

逆に言うと、営業としてはどうすればいいか? というと
相手の経営状況や課題をまとめたうえで、提案の中身を一度AIに通す。

で、「AIにも判断させた上で、御社にとって良い提案であると確信しました」と言えば、とても説得力が出る。

これがいま、営業の“新しい型”なんじゃないかとすら思います。
なぜかというと、あなたもきっと東大理Ⅲを出ていないからです。

……で、もしAI的に「これは相手にとってあんまり良くない提案ですね」と言われたとしたら?

ここはもう、人間の出番です。

にゃあにゃあ感を前面に出して、お願いしに行きましょう。
気持ちよくにゃあにゃあすれば良いのです。

論理的には売れない商品でも、最後はパッション。

ここだけは、AIには真似できない“人間力”の領域です。
ここに自分のもつ全てをぶつけるビジネスマンでいきましょう!

■5. 経営判断時の第三者視点導入
これは、超重要なやつです。
会社というのは、最後に誰かが決めないと前に進みません。
そして、その「誰か」=代表者が決めるのが、まあ一般的な仕組みですよね。

経営者の仕事って何かと言われたら、
“全責任を持って、全ての判断をすること”と言っても過言ではないと思っています。

だからこそ、判断には常に「合理性」が必要です。
その時点の事業状況、リソース、方向性、経営戦略——
そういった要素をもとに、“会社として最適な判断”を出し続ける必要がある。

でもです。
お腹痛い日って、あるじゃないですか。

社員Aと社員Bから似たような相談を受けた時に、
果たして自分は“同じ判断”を出せているのか? って、これ、実は結構怖いんですよ。

もちろん、すべての人に同じ対応をする必要はない。
でも、同じ案件に対して、答えがブレるのは問題です。

それが繰り返されると、社内で不和が起きる。

「あの子はよかったのに、私はダメなんだ…」と、“メンヘラが1人、出来上がってしまう”わけです。

そんなとき、頼りになるのが、AIによる経営レビュー。

たとえば、SOUであれば:
・現在の財務状況
・第8期の経営方針
・中期ビジョン
などをAIにインプットしたうえで、こう尋ねる。

「SOU株式会社の経営者として、この案件にどう対応すべきか?」
するとAIが、 “体調にも気分にも左右されない経営的視点”で回答をくれる。

そのアドバイスがあることで、自分の考えを補正できるし、
何より、“今日はお腹痛いけど判断はブレない”状態が保てる。

これは、会社にとってものすごく大きなことです。
組織の安定って、実はこういう小さな“判断のブレの平準化”から始まるのだと思います。

なお、この仕組みはまだ完全には構築できていません。
ですが、第8期のうちに完成させて、「今日はちょっとお腹も頭も痛い日」でも、
AIがしっかり経営の軸を守ってくれるようにしていきたいと考えています。

■6. 有識者系確認(税務・労務・その他)
これはもう、使ってみたら分かるやつです。
たとえば、日々の業務でこんなことを思う瞬間、ありませんか?

・「この経費、どうやって仕分けしたら良いんだろう?」
・「労働基準的に、これって問題ない?」
・「契約書のドラフト、誰か雛形くれないかな……」
・「旅費規定って、うちの規模感だとどう作れば良い?」
・「リスティング広告の考え方を、素人にも分かるように説明してほしい」

これ、全部AIに聞いています。

弁護士、社労士、税理士、マーケターなど、
専門家に聞く前の一次判断として、AIが頼りになるのです。

もちろん、最終確認はプロにお願いすべきです。

これによって、外部担当者からの返信を待たずに、作業が前に進む。
この“タイムラグのない進行”が、一番大きなメリットです。

そして、ここでひとつ本質的なことに気づくのです。
知識がある、ということ自体が、これからのビジネスにおいて“差別化要素”ではなくなる。

これは大富豪でいうと革命ですよね、やる気と行動力がある2が勝てる時代です!

もちろん、知識があることは悪いことではない。
でも、早く動く人の方が、価値としては高まっていく。

AIを「もう一人の有識者」として身近に置ける人の方が、
結果として、“動ける人”として重宝される時代になるんでしょうね。

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と、ここまで書きましたが、話が長くなってきてしまいましたので、一旦ここまで!
今回は会社全体の経営的な部分での対応としてのSOUでのAi活用について記載しました。

第11話では、
「僕たちの実業務、管理業務の具体的なAi活用について」と、
「僕がAi活用を会社で行なっていく時の最大の乗り越えないといけないと思っているウォールマリア」
についてお話ししたいと思います。

それでは次回をお楽しみに!